「⼈と組織」のコンサルティング事例

能力と業務のミスマッチを改善+評価基準と賃金体系を整備した事例

ある製造業の会社では、中途採用時に前職の条件をそのまま適用していたため、社員ごとに給与計算の方法が違うという問題が生じていました。また、残業が多く、社員も徐々に疲弊しているという状態でした。

そこで、社員の仕事内容をヒアリングし、そこに必要な知識や能力についてまとめ、社員一人一人の優れている点と、苦手、あるいは問題点についてもお聞きしました。
そうすると、社員の持っている能力と、求めている仕事に必要とされる能力にミスマッチがあることが分かってきました。

会社はその「経営理念」「目標」にあった人材を採用し、育成しなければなりませんが、人が不足すると、その場をしのぐように中途採用してきた結果がその時の状態でした。

そこで、「経営理念」を再確認し、それに基づいて「行動指針」を作成し、社員に求める仕事とそれに必要な経験・知識・能力を明確にし、ミスマッチを減らし、それに合わせた評価基準と現在の給与の金額は維持できるような賃金体系を作成しました。

社長、特に創業者は優秀でエネルギッシュであることが多いと思います。
しかし、社員に自分と同じ熱意と能力を求めても、それは難しいと言わざるを得ません。
評価に応じて、昇給することは大切です。しかし、給与をあげても、そのモチベーションは長く続きません。

では、どうすればよいのか・・・。 社員が望ましい行動をとったとき、ちょっとした社員の姿勢・努力に気づいて、そこをタイミングよく褒めることで社員は成長します。
脳科学的にはその時に「ドーパミン」が分泌され、幸福感を得ます。人はもう一度、その幸福感を得るために同じ行動をとろうとします。

これとは逆に、叱られる、あるいは危機や強いストレスを感じた時には「ノルアドレナリン」が分泌されます。そうすると、人間は心拍数を高め、意識を覚醒し、集中力を高めます。しかし、「ノルアドレナリン」によるモチベーションは長くは続けることができません。

二宮尊徳は「可愛くば、5つ教えて、3つ褒め、2つ叱って、よき人とせよ。」と言っています。
アメリカの心理学者マーシャルロサダは「褒める:叱る=3:1」この割合を超えたときに組織は活性化すると言っています。
他にもありますが、いずれにしても、場合によって叱ることは必要ですが、褒めることを中心した方が良いということです。
私自身、褒めることを意識するようになってから、組織が成長していったことを実感しています。